冬が来た リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 12月 15, 2020 森に冬が来た。 昨日の夜からちらちらと雪が降り始め、起きたら冬の朝だった。こんな日は、高村光太郎の「冬が来た」という詩を声に出してみる。 きっぱりと冬が来た 冬よ 僕に来い 刃物のやうな冬が来た(抜粋) これらの言葉が体に入ると、潔く冬と向き合おうという気持ちになってくる。 背筋が伸びる、大好きな詩。 森の長い冬が、始まった。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント Yukio Fukushima2020年12月15日 22:11ブログ開設、おめでとうございます!詩的ですね。寒波到来の本日にぴったりです。返信削除返信返信コメントを追加もっと読み込む... コメントを投稿
枯葉よ~♩落ち葉よ~♩ 11月 29, 2024 11月の最後の日の朝、初雪が降った。風がなく、空からまっすぐ下りてきた。雪もまだ初々しく遠慮がちで、雨に変わっては、また雪に戻ったりしている。冬が進むごとに、主役に成長し、もっと力強く降るようになるだろう。季節が秋に戻ることはないだろう。アイヌ語で「雪が降る」は「ウパシ アシ」。「アシ」は「走る」や「雪や雨が降る」の意味で、天から一片ひとひらの雪がコタン(住んでるところ。村)目がけてかけっこして遊びに来るという意味のようだ。 森の木々はすっかり冬木立となり、色彩は一気に茶色になった。森を歩くと、「落ち葉」がやわらかい。吹きだまりになっているところで転びそうになった。落ち葉を踏む音はくすぐったい感じがする。いや、待てよ。踏んでいるのは「落ち葉」というべきか「枯葉」と言うべきか。どっちでもいいのだけれど、ちゃんと使い分けられたら、もっと季節を楽しめる気がする。 童謡「たきび」(作詞:巽聖歌 作曲:渡辺茂)では、「落ち葉焚き」という言葉が歌われている。子どもの頃は、冬が来るとよく焚き火を見かけた。見かけると、友だちと一緒に吸い寄せられるように赤い焚き火に近寄っては煙の匂いを嗅いだり、自分の方に煙がやってくると逃げ回ったり、焚き火の中に隠してあるだろう焼き芋のおこぼれを期待したりしながら道草を楽しんだ。今は大っぴらに焚き火ができなくなり、冬の晴れた空に焚き火の煙が昇っていく風景を見かけることはなくなってしまった。 O・Henry(オー・ヘンリー)の「最後の一葉」は蔦の葉だ。落ちていないので、あれは落ち葉ではなく落ちそうな「枯葉」だな。葉の先の方から枯れていく「末枯れ(うらがれ)」だ。「病葉(わくらば)」とは違う。「病葉」は夏の季語で、夏の盛りに青々と茂る葉の中で寂しく色が枯れてしまった葉だ。 「枯れる」のもつ意味はなかなか奥深いように感じる。万物の全盛期を過ぎたことを表す意味もあるし、芸や技、趣、人格などに外連味(けれんみ)がなくなり、完成されたことを表すときにも使われる。「あの役者の芸は枯淡の境地を感じさせる。」とは褒め言葉で、間違っても「落ちる」では表現できない。 枯れるの語源は「離る(かる)」で「涸れる」や「嗄れる」とも意味は近い。「枯れ木」となると、もう命を終えた木や、新しい季節のために葉を落とした木の二つの意味があるから、文脈で判断しなければならない。... 続きを読む
森の休日 冬 1月 12, 2025 暖かい朝だ。二、三日前に少し積もった雪は、陽の当たるところは消えた。 畑にビニールハウスを建てたので、この冬は小松菜や菜花の緑を眺めることができる。これらは鶏に与えるための野菜だ。もちろん、膳にも上る。無農薬栽培だからか、柔らかく「灰汁(あく)」が少ない。「蘞味(えぐみ)」とも言う。「蘞(れん)」はヤブガラシ、別名・貧乏葛(ビンボウカズラ)のことを指す言葉だ。歴(れっき)とした生薬なのに、灰汁が強いので食べたり、根を煎じて飲んだりするまでには灰汁抜きが必要なことから、野菜を代表して「蘞い(えごい、えぐい)」という不名誉な使われ方をされてしまったようだ。 何年かぶりにソーセージを作った。今回は豚腸を使うフランクフルトだ。細めのウインナーを作るときには羊腸を使う。ソーセージを作る際は、種を冷たくしないとおいしくできないので、寒い今の時季が最適。でも、寒い台所で冷たい肉を捏ねていたら、指が攣(つ)ってしまった。「痙攣(けいれん)」の「攣」という字を見ただけでも指が攣りそうだ。塩の割合を肉の量の2.5%にしたら、少ししょっぱかった。次は2%で作ってみよう。 白菜の漬け物も漬け足した。乳酸発酵食品の白菜漬けは冬の食卓に欠かせない。葉の先の方を細かく刻み、納豆に混ぜて食べるのが子どもの頃から大好きだった。漬け物と納豆、塩鯖や塩鰯、角鰯(かどいわし。にしんのこと)が子どもの頃の冬のおかずの定番だった。わが家の漬け物部屋にはきっとおいしい菌が棲んでくれているのだろう。毎回おいしく漬かる。この冬は20玉くらい漬けただろうか。猛暑のせいで、収穫量が少なかったり、うまく結球しなかったり、農家は大変だったようだ。 塩鮭の切り身を風で干して、その後で酒粕に漬けた。これは、天国の忍ちゃんに教わった食べ方で、今だに毎年作っているのだが、忍ちゃんの味には敵わない。 ベランダにある植木鉢の中にひまわりの種を蒔いてやった。すると、コガラやヤマガラがやって来て啄(ついば)んでいく。すごい食欲だ。どちらもけっこうフレンドリーで、餌を補充してやるのを少し離れた木に止まって見つめている。ひまわりの種の産地は「ヨーロッパ、その他の地域」と袋に書かれてあった。ウクライナのひまわりは美しく咲いていたのだろうか。 薪作りや薪運びで体も動かしている。去年の春から秋までは暑くてキリギリスみたいにさぼっていた... 続きを読む
観測史上、最も 11月 09, 2024 久しぶりに思いのままに過ごせる休日。朝食後、ビニールハウスの中に野菜の種を蒔いた。冬場、鶏たちが走り回る森には青物がなくなるので、わずかでも好物の青菜を与えたいと考えてビニールハウスを建てた。ビールハウス内の温度は今の時季だと25℃くらい。野菜の発芽温度を調べて、くきたち菜、小松菜、菜花を選んだ。肥料はもちろん自家鶏糞にしたかったけれど、鶏たちはあちらこちらで用を足すので、どこで糞をしたのか後を追いかけるのも主としては情けない。おまけに愛犬がその鶏糞の味をなぜか気に入り、食べていたのが判明。食物繊維かなんかのサプリのつもりなのかな。しょうがなくホームセンターで乾燥鶏糞を購入しビニールハウス内の土に施した。今後は、計画的に鶏糞を集める工夫をしよう。鶏のためだけでなく、自分のためにも高菜を選んで蒔いた。収穫した高菜をひと冬塩漬けし、低温発酵させる。それを夏の強い日差しで乾燥させ、また塩を塗(まぶ)し、冷蔵庫で低温発酵させて完成。粥の具にも、炒め物の塩味にも最高だ。台湾で食べて以来、虜になった。たぶん、臭豆腐の付け合わせだったと覚えている。舌が。 種蒔きが終わって外に出ると、気温は12℃、黒ビールがおいしい季節だと閃いてしまった。家に戻ると室温は20℃くらい。たぶん、ビールの温度と今の室温は最高のマリアッジ?のはずだ。それを観測しなければ。そんな責任感から選んだのはギネス。別にこだわらないのだが、この前テレビでアイルランドの旅番組を見て擦り込まれたみたいだ。 ギネスの栓を開ける。塩味&セサミのプレッツェルも一緒に買ってある。ここらへんは抜かりない。どれどれ、色も楽しみたいのでグラスに注ぐ。当たり前だけれど黒い。泡とビールのバランスを測り、よし。 あああ、おっ。今年の観測史上最もうまい。当たり前田のクラッカー、この秋初めての黒ビールだ。 自分だけが選んだ今年の流行語大賞は「観測史上、最も」だ。「観測史上、最も暑い8月」「観測史上、最も早い桜の開花」「観測史上、最も遅い夏日」「観測史上、最も遅い初冠雪」「観測史上、最も多い降水量」などなど。これらの全部が地球の気候の異常さを突きつけていると言って間違いない。「観測史上、最も」で表されたよい意味のニュースはなかっただろうし、11月中旬になった今でも台風が発生している。 1996年から2004年まで... 続きを読む
ブログ開設、おめでとうございます!
返信削除詩的ですね。寒波到来の本日にぴったりです。