い・ける(埋ける・活ける)

 毎年冬になると、農家の忍ちゃんがたくさんの大根や葱、白菜を届けてくれた。

 以前は畑に大根と葱を埋けていた。でも、畑に雪が積もると大根と葱は行方不明になり、また、畑の土が凍ってしまうと掘り出せなくなる。

 そこで知恵を絞り、ここ数年はプランターの中の土に大根や葱を埋け、その上から菰(こ も)を被せてベランダに置いている。白菜は忍ちゃんに教わった通り、新聞紙で包んで(くる・んで)保存しておく。野菜を土に埋めて保存することは「埋ける」という字を使うけれど、「活ける」という字の方がぴったりとくる。大根も葱も生きているからだ。活けておいた大根のてっぺんに淡い緑の葉が出てくる頃、冬が終わる。

 今年は、忍ちゃんがいない冬。それでも教わったとおりに野菜を活けた。

 寂しいぞ、忍ちゃん。



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