百年先の楽しみ
枝垂れ桜がこの春も咲いた。友人が贈ってくれたもので、三春の滝桜の子孫だ。
この森に植えた7年前は、背が3尺足らずで、幼い幹をしていた。植えて3年目に初めて花をつけた。今は自分の背を追い越し、根をしっかりと張って支柱の助けが要らなくなり、独り立ちできたようだ。花の数は年々増え、花の色は美しい桜色になった。
「滝」のように咲くのはまだまだ遠いけれど、百年先が楽しみだ。
遠い未来に森の中でひっそりと咲き誇る滝桜。森に迷い込んでこの桜を見つけた人は「なぜこんな森の中に立派な滝桜があるんだ。」なんて、びっくりしてくれるかな。「昔々、村娘と若者の恋が実らず、その涙が桜になった。」なんて伝説が作られたら素敵だ。
百年先、運(行い?)がよければ自分は星になって、この桜を照らしながら昔話を語ってやろう。
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