秋の葉と時間と
「うみのほうへ
むらのほうへ
やまのほうへ」 (「くじらぐも」 中川李枝子)
今年の秋は、いろんなところへ出かけ、たくさんの秋に出会い、そして長く秋と一緒にいた。
「自分は、今、何を見ているのだろう。」
秋の葉を見ながら、初めてこんな思いになった。
葉の色がきれいだから、それを愛でているのだが、葉の色に何かを見ている自分に気づいた。何かを探している、と言うべきだろうか。
ある時、やっと答えが分かった。それは「時間」だ。
懐かしい人たちの笑顔のような、もう戻らない時間。
見知らぬ海や村や山へ旅するような、これからの時間。
その交差点に立っている自分の、この瞬間。
時間は心に流れているんだと思った。
コメント
コメントを投稿