春がやってきた


 遅い春が来た。

 寒さの緩みと寒の戻りを幾度となく波のように繰り返し、ようやく春がやってきた。

 とは言え、朝はまだ寒い。「春はあけぼの」と行きたいところだが、今朝も氷点下だった。 

 休日は天気予報、それも特に気温を調べて1日の予定を組み立てる。まだ気温は摂氏4度(4℃)なので今、このブログを書いている。4℃だとバイクで走っていて体が凍った記憶がある。

 5℃を超えたら、薪運びをしよう。1℃の違いがけっこう大きい。寒いから体を動かさなくては。

 8℃になったら、薪割りだ。薪割り=斧だが、それでは全部割り終えないうちに次の冬がやって来て、「蟻と蟋蟀(キリギリス)」の蟻のように真面目に働いたのに末路は蟋蟀という変な物語になってしまう。ウソップ物語! だから、人間らしくエンジン薪割り機でやろう。

 午後は新しく作った小屋の仕上げ。初めはタイヤを保管する「物置」を作るつもりだった。ところが、元々使っていた薪棚をエンヤコラと移動してその跡地に物置を建てたら、おやおやなんと、この冬の大雪のせいで屋根からの落雪が半端でなく、薪棚の薪の取り出し口が塞がれ、薪を取り出すたびに転びそうになったり、実際に転んだりしたので計画変更。どうせ「走れ、タイヤ君」は冬の間は眠っていればいいので、元の薪棚をタイヤ保管場所として使い、「物置」のはずだった物置は「薪小屋」にすることにした。柔軟な発想が森の暮らしでは役立つ。失敗から学んだことが知恵となる。願いを実現できて初めて知恵と言える。失敗だけだと「ちえっ」となる。

 春を感じる一瞬がいっぱいあって、そのこと自体、うれしい。

 新物のあおさの味噌汁。生若布(わかめ)の味噌汁。蕗の薹の味噌汁。芽が出て少し萎(しな)びてしまったじゃがいもの味噌汁(ポテトサラダにしてもおいしい。「春待ち芋」という名がある)。芹の若い葉の味噌汁。

 味噌汁ばっかり。春を感じる一瞬でなく、1杯になってしまった。「春は朝餉の味噌汁」だ。その1杯を一口啜(すす)ると、肩の力の抜けるのが分かる。冬の間に肩も凍っていたのか。味噌は泉崎村「こころや」で買える「峠味噌 十四割 白」が好きだ。「こころや」は一生懸命働いている人たちを応援したくなる店で気に入っている。

 あと少ししたら、こぶしの花が咲くだろう。やっと春がやってきた。
春を受け止められる自分がいる。気温は摂氏6度になった。さて。


 





 



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