ぼくが目になろう


 "Swimmy" by Leo Lionni ,Dragonfly Books.

 日本版の訳者は谷川俊太郎、好学社出版。でも、光村図書の小学2年生の教科書で日本の子どもたちはスイミーと友達になっていると思う。 

 クライマックスでスイミーが仲間たちを、そして何より自分自身を鼓舞するために叫んだ言葉は、"I'll be the eye."「ぼくが目になろう。」(谷川俊太郎 訳)

 直訳のようであり、だけどもっと深い祈りが込められているようだ。すごいな。

「目」のつく日本語の表現を辞書で調べたらたくさんあった。良い意味でも、否定的な意味でも。体の器官としての「目」はもちろん、「目には目を」はハムラビ法典からやってきたし、「目から鱗が落ちる」は「新約聖書」から。日本語と共通するのは、真理であり、核であり、心の意味。「目は口ほどに物を言う」「目がない」は日本語。"Smoke gets in your eyes" (煙が目にしみる Platters)と英語では負け惜しみが切なく、日本では「新緑が目にしみる」「眼福」など美意識と関わる。「目が死んでいる」は覇気のことだ。

 スイミーも、大きな魚が怖くてひっそりと生きていた仲間に" Let's go and swim and play and SEE things"と説く。日本語の「見識」「見聞」「知見」という言葉につながる。

原作で「SEE」と大文字なのは、作者のメッセージだろう。

 永遠の恋人オードリー・ヘップバーンが歌う"Moon River"の歌詞には、

"Two drifters,off to see the world.There's such a lot of world to see.'

「流浪の二人は、世界を旅する(まだ見ぬ)たくさんの世界を見るために」 スイミーと同じ価値観だ。

※ドリフターズ!って奥が深いグループ名だった。ビートルズの来日コンサートの前座だったし。8時だよ、飲み会終了。歯磨けよ!

「目」。鬼太郎の父は目となって鬼太郎を救う。西洋と東洋の接点トルコには「ナザール・ボンジュウ」という厄除けのお守りがある。日本は大きな目玉風船の鳥追いが稲を守っている。日本酒の利き酒のぐい飲みも目玉模様、「酔眼」も目だな。


目玉のような実が大きくなってきた。

「赤房すぐり」だ。



去年草刈りして間違って切ってしまったコクワ(さるなし)の「芽」。
前よりしっかりして、ぐんぐん伸びている。強い!
これを夏の日よけに仕立てようと思う。

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