Nadiya

  AmerAsianの続きを書こうと思ったけれど、話がトルコ・沖縄・フィリピンと旅したので、一旦森に戻ることにした。と言いつつ、泡盛を嗜(たしな)んでいる。うまいわー!

 そう、戦わなければならない相手がいたのだ。猿だ。

 おととしまで、双子の姉妹の愛犬がいた。姉妹はこの森の中腹にある欅の根元が大のお気に入りで、そこで静かに森への侵入者を見張っていてくれた。

 年を取った姉妹が相次いで森に消えてから、猿や猪、白鼻芯、鹿がこの森に自由に入ってくるようになった。

 おととしの夏は、じゃがいもときゅうりとトマト、南瓜全敗。去年は無花果(いちじく)。節になると毎朝ボール一杯の収穫があった。結局無事に収穫できたのは、紫蘇の実だけ。

 そこで、猿と知恵比べするべく、いろいろと作戦を練った。戦略と戦術「坂の上の雲」だ。

 その1 電気柵。 

 これは即却下。とても世話になった方が感電が原因で亡くなったし、映画「グリーンマイル」 に衝撃を受けた。宣言しよう。猿に痛みを与えたくはないのだ。第一、間抜けな自分がビリビリするだろう。二代目森の番犬も。

 その2 狼のおしっこ

 こんな製品があるんだと感心した。犬猿の仲ならぬ、狼猿の仲か。「ゴールデンカムイ」路線だ。興味津々だけど、愛犬が刺激を受けて自分の野生に目覚め、北海道を目指してしまうと困るから却下。

 その3 エアガン

 却下。「とびどぐもたないでくなさい。」(宮沢賢治「どんぐりと山猫」)

 その4 動物撃退器 

 猿が近づくと、センサーが反応し、照明が光り、いろいろな音が出るらしい。

 森には動物の鳴き声と風の音だけでいいよ。消防団の巡回の鐘の音は許す。OBなので。

 移住ブームだけれど、隣組の付き合いを心配する人がいる。それが楽しいんだよ。

 その5 ロケット花火。

 猿を傷つけない。不良品があって、飛んでいくけど最後にパーンと鳴らないやつ、発射角度を間違って、軒に当たって足元で任務を遂行するやつ、導火線だけで終わるやつ。

 自分の人生を占う花火のようで、点火する時は襟を正す。だいたいTシャツだ。

 ロケット花火を楽しんでから最後に線香花火をするのが夏の風物詩だった。ノスタルジアで採用。

 その6 舞っ鷹!

 ネーミングのセンスに魅かれて採用!

 鷹が羽根を広げた形の凧が釣り竿の先にサルカンで繋がれて、風が吹くと舞う。

 田んぼで鳥追いをしているのを見かける。けっこう行動範囲が広く、無花果の木の近くの桑の木にひっかかるたびに助けてやる。風がないと、首つりのようでやや不気味だ。風よ、吹け(福山雅治「わたしは風になる」)

 負けてもいい戦いだ。いや「戦い」なんて言葉はふさわしくない。遊びだ。現実の戦いはもっと残酷だ。いちじくがなくなっても、みんな生きていける。

「ウクライナ語会話集」(ドニエプル出版)をAmazonで手に入れた。

「希望」は、アルファベット表記だと「Nadiya」だ。

 


  



 





 




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